投資ガイド
海外送金の実用比較 — Wise・SBI・住信SBIの使い分け
海外不動産・海外口座運用に必須の送金。手数料・為替・所要時間で最適解を選ぶ。
海外不動産投資・海外口座運用・海外資金運用に欠かせないのが 海外送金。同じ100万円を海外送金しても、銀行とWiseでは1〜3万円の差が出ます。送金回数を重ねれば、累計で数十万円の差に。本記事では、3つの主要送金手段の特性と、シーン別の使い分けを整理します。
送金時に発生する3つのコスト
1. 送金手数料
銀行・送金事業者に支払う固定費。1回数千円〜1万円超。
2. 為替手数料(為替スプレッド)
円→外貨換算時の中値からの上乗せ。実は最大のコスト要因。1〜3円のスプレッドが取られることが多い。
3. 受取側手数料(リフティングチャージ)
受取銀行が課す手数料。中継銀行を経由する場合に追加発生。一般的に$10〜30。
主要送金サービスの比較
100万円を米ドルに送金する場合の実コスト(2026年時点):
メガバンク海外送金(三菱UFJ・三井住友・みずほ)
- 送金手数料: 6,500〜7,500円
- 為替スプレッド: 1ドルあたり+1.5〜3円(中値+1〜2%)
- 受取側手数料: $10〜30
- 所要時間: 2〜5営業日
- 実コスト: 約20,000〜35,000円
住信SBIネット銀行
- 送金手数料: 3,000円
- 為替スプレッド: 中値+0.5〜1円
- 受取側手数料: $10〜25
- 所要時間: 2〜3営業日
- 実コスト: 約10,000〜18,000円
SBI新生銀行
- 送金手数料: 2,000〜4,000円
- 為替スプレッド: 中値+0.7〜1.5円
- 受取側手数料: $10〜25
- 所要時間: 2〜3営業日
- 実コスト: 約9,000〜18,000円
Wise(Transferwise)
- 送金手数料: 0.5〜1%(=5,000〜10,000円)
- 為替レート: 中値そのもの
- 受取側手数料: ゼロ(直接受取)
- 所要時間: 数時間〜1営業日
- 実コスト: 約5,000〜10,000円
Revolut
- 送金手数料: 月10万円相当まで無料、超過分は1%
- 為替レート: 中値(平日)、+0.5〜1%(土日)
- 所要時間: 数分〜数時間
- 実コスト(月10万円以下): ほぼゼロ
シーン別の最適選択
1. 海外不動産購入時の大口送金(数百万〜数千万円)
金額が大きいので為替スプレッドの差が顕著。Wiseが最有利。
- 1,500万円を$ベースに送金
- メガバンク: 為替差+200円-300円 = 20〜30万円のロス
- Wise: 中値レート + 手数料1〜1.5万円 = 1.5万円のロス
- 差額: 18〜28万円
ただしWiseの上限は1回1億円程度。それ以上はメガバンク併用。
2. 海外賃貸物件の運営費送金(月10万〜30万円)
頻度の高い小口送金には、RevolutまたはWiseが最有利。月数千円のコスト差が、年数万円の差に積み上がる。
3. 旅行・出張時の現地通貨確保
現金が必要な場合は、外貨両替マネーバンクのような外貨宅配サービスが、銀行・空港より好レート。短期出張・旅行用の現金確保に向いている。
4. ドル建て投資商品(米国株・ETF)購入
住信SBI銀行で円→ドル両替後、SBI証券に米ドルで入金する手順が、メガバンクより為替コスト優位。
Wiseの実用ポイント
Wiseは個人・法人とも利用可、登録は無料。本人確認後、銀行振込・クレジットカードで送金可能。
- マルチカレンシー口座(40通貨対応)
- 送金前にレート・手数料を完全公開
- 米ドル・ユーロ・ポンド・豪ドル・NZドル・シンガポールドル等の現地口座番号取得可能
- 受取側にとって「現地振込」として処理される(海外送金の煩雑さ回避)
ただし注意点:
- 初回登録時の本人確認に1〜2日
- 1回の送金限度額(1億円程度、追加可能)
- マネロン対策で大口送金時は追加書類提出
送金時に必要な情報
海外送金時に必要な情報:
- 受取人氏名(完全一致必須、ローマ字)
- 受取銀行名・支店名・住所
- SWIFTコード(またはBICコード)
- 受取人口座番号(IBAN/SWIFT)
- 送金目的(不動産購入・運営費・投資など)
送金目的の記載は重要。誤記すると、受取側で確認・差し戻しが発生し、時間ロス。「Real Estate Investment」「Property Management Fee」のような明確な記載が王道。
規制とコンプライアンス
海外送金には法的規制があります:
- 3,000万円超の送金: 国外送金等調書を提出義務(自動的に税務署へ通知)
- マネーロンダリング対策: 送金理由・取引履歴の確認
- 本人確認(KYC): 各サービスで身分証明書提出
- 外為法に基づく届出: 1億円超の不動産取引等で必要
3,000万円超の送金は税務署が自動把握する仕組みなので、海外不動産購入の資金調達は完全にトラッキングされます。脱税スキームとしての利用は不可能であることを認識。
暗号資産経由の送金
近年、ビットコイン・USDC・USDT などの暗号資産経由での送金も選択肢に。
- 送金時間: 数分〜数時間
- 送金手数料: ほぼゼロ(ネットワーク手数料数十円〜数千円)
- 規制リスク: 各国の暗号資産規制への対応必要
- 会計処理: 円換算時の損益認識が複雑
大手銀行・正規送金サービスより、コストが圧倒的に低いが、規制・税務面の整理が個人投資家には負担。投資資金の本格的な海外送金には、まだメインルートではなく、補完的な手段。
海外送金は、海外不動産・海外投資の運営コストの一部。最適なツールを選び、為替・手数料を抑えることで、年間数十万円〜100万円規模の差が出る、見過ごしてはならない要素です。
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